株主・投資家情報

投資家のみなさまへ

 平素よりみなさまには、当社グループの事業にご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

 2023年3月期の当社グループの業績は、前期と比較して、売上高は増加しましたが減損損失の計上等もあり、当期純利益は大きく下回る結果となりました。期初の業績予想の時点では想定していなかったデジタルマーケティング事業の固定資産の減損損失計上と、それに伴っての親会社株主に帰属する当期純損失の大幅な増加につきましては、株主の皆様にお詫びを申し上げます。
 2023年3月期は、当初から2024年3月期以降のデジタルマーケティング事業の事業規模拡大を見据えて、新商品であるVisionary Cloudの研究開発投資を行いつつ、販売に向けての準備を行う年と位置付けておりました。2022年3月期に計上されたような大型案件の予定もなく、研究開発投資も継続するため、期初の業績予想から厳しい見込みをお伝えしておりました。ですから、デジタルマーケティング事業の事業運営におきましては、4月3日に開示しました減損損失の計上を除くと、ほぼ期初の業績予想どおりの進捗であったといえます。
 音声認識事業におきましては、期初に志した当社製品の拡販は、新規の採用もございましたが、業績に貢献するまでには至りませんでした。しかしながら、音声収録に関する受託業務が増加したことにより、売上高は前年同期と比べて増加しました。ただ、同受託業務にかかる外注費の増加等により、営業利益への貢献は軽微となり、音声認識事業のセグメント利益は赤字となりました。

 音声認識市場では、競合として海外の大手プラットフォーマーが存在しており、当社の規模でこれらの企業と正面からぶつかるような営業戦略は現実的ではありません。そこで、当社は周辺技術や使いやすさを向上させることに焦点を当てた独自の商品開発を進め、これらの周辺技術や音声認識と親和性の高い企業様(とそのサービス)との連携で、お客様が求めるシステムを実現することで差別化を図り、営業活動を行っております。これらの製品は少しずつ採用先を増やしてはいるものの、まだ業績に大きく貢献できるようなレベルには至っておりません。ただ、音声認識事業として、安定した売上や利益を確保していくためには、ライセンスとロイヤルティーの売上増加が重要であるという認識は変わりません。引き続き、製品の性能及び利便性の向上と拡販活動に注力してまいります。
 また、「音のAI検査」についても継続して取り組みます。すでに複数の企業様と検証を実施し、事業化に向けて取り組んでおりますので、2024年3月期はその取り組みを一歩進め、検証段階から商用利用の段階に進むことを目標といたします。
  さらに、決算短信と同日に発表いたしました株式会社エーアイ様との資本業務提携の目的の一つである、「音声対話AIソリューションの実現」に向けての活動も行ってまいります。

 デジタルマーケティング事業においては、2024年3月期以降も、引き続きデジタルマーケティング市場での事業拡大を目指して、Visionary Cloudの機能追加開発投資を継続してまいります。開発コストの省力化やユニット商品化等を進め、営業戦略と製品開発戦略を連携させて、お客様が望むシステム構成をできるだけ早期にご提供できる仕組みを整え、同時に当社の売上や利益率が確保できるような商品構成を目指してまいります。並行して、新規採用に向けた営業活動を行うとともに、すでにVisionaryをご利用いただいているお客様のご要望にきめ細かに対応することで、追加開発業務の受注及びVisionaryの継続利用による月額利用料収入の維持・増加を目指します。

 このような施策をもって、音声認識事業とデジタルマーケティング事業を中核に、事業拡大と業績回復に、グループ一丸となって取り組んでまいります。

 株主・投資家の皆様におかれましては、何卒変わらぬご指導、ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。




2023年6月
代表取締役社長
西田 明弘