エコーキャンセラー −高速H∞フィルタ−
高速H∞フィルタ(J-FHF)の特徴
ロバスト性が大きい
周辺のノイズ音が大きい場合やスピーカからの相手の声や音が出ているときに自分が発話する場合(ダブルトーク状態)においても、広く使われているNLMSアルゴリズムでは実現できない非常に高い収束とロバスト性をもっています。
有色信号で高い収束性能を示す
音声や音楽信号などの有色信号での収束において、広く使われているNLMSアルゴリズムでは実現できない収束速度、高い収束性およびエコー削減量が実現できます。
タップ数は収束性能に影響しない
NLMSに比べ、広帯域化によるタップ数増加状況でも収束時間は、ほぼ変わりません。
『高速H∞フィルタ(J-FHF) 』の応用
エコーキャンセラー |
- 音声信号で高速に同定
- 同時通話(ダブルトーク)に対しても安定、頑健
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アクティブノイズキャンセラー |
- 周囲環境の変動に高速に追従
- 外乱に対して安定、頑健
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ハウリングキャンセラー |
- マイクの移動(経路変動)に対して瞬時に追従
- 発話時も安定、頑健
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その他 |
- 音場補正、音響特性補正にも高速かつロバストなシステム同定法として応用可能
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各種適合アルゴリズムの特徴
適応アルゴリズム |
特徴 |
演算量
(タップ数:N) |
NLMS |
- 収束特性がタップの大きさに依存する
- 有色信号で収束速度が低下する
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3N |
FDAF
(周波数領域LMS) |
- 有色信号を擬似的に白色化し収束性能を向上
- 連続的な動作と収束の安定性が両立しにくい
- FFTと逆FFTの演算量(N log2N)が必要
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2N + N log2N |
FAP
(高速アフィン射影法) |
- 高次の射影次数に対する演算量を削減
- 従来のAP法の特性を保持
- 誤差累積による性能劣化防止など安定性の改善が課題
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2N+ 20M
(M:射影次数) |
RLS法 |
- 有色信号に対して白色雑音と同等の収束速度
- 演算量の関係から高次のタップ数が必要な音響用途の応用が困難
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2N2 |
J-FHF
(J-ユニタリアレイ形式を導入したJ-高速H∞フィルタ) |
- 収束速度が速い
- 有色信号で収束性能が高い
- 並列化可能なアルゴリズム
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7N |
vGate バージインについて
vGate バージインは、エコーキャンセラーを搭載することにより、音声ガイダンスの途中でも、割り込みでユーザーの声を認識します。検索結果が多く音声ガイダンスが長くなる場合でも、自由なタイミングで話しかけることができ、ストレスなく音声対話で機器を操作することが可能です。
バージイン機能に適応した高性能エコーキャンセラーを搭載
特許技術である高速H∞フィルタ(J-FHF)を使い、カーナビなどの機器が発している音を高精度に推定して除去します。
- 自動車特有の環境下でもキャンセル可能
高ロードノイズ、風切り音など自動車特有のノイズ環境下でも、カーナビが発している合成音をキャンセルし発話音声を認識します。
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ステレオ音楽再生中でもキャンセル可能